開発秘話
難問に直面!!
ビニールは熱に弱いのである。気温の高い夏には柔らかくなり過ぎる。寒いときは硬くなって使いにくい。この問題は、当面夏用と冬用の硬度違いをつくることによってなんとか切り抜けた。
製造過程でもう一つ大きな難点がでてきた。
厚みがない。
デスクマットとして机上で敷くためには、ペラペラではだめだ。
どうしても2mm程度の厚みを持たせたい。
当時作られていたビニール製板を製造する機械ではデスクマットに望ましい厚みを出すことはできなかった。
平板としての品質を保つのに必要な0.7㎜以上の厚みのものをつくり出す機械や技術が開発されていなかった。
ゴムやガラスの欠点をクリアするため、ビニール素材を採用することには自信があった。この新製品がヒットする確信もあったが、それは厚みの問題を解決してはじめて製品として描くクオリティを実現する。売れ行きの成否の決め手だけに、この技術は何とかしたい。専門メーカーや技術者の意見を聞いたり、商社に依頼したり、八方手を尽くしたあげく、専門ではないがビニールを扱う業者に頼みこんで共同研究を重ねる糸口をつかむ。
数えることができないほどの研究と試作を重ねた結果、薄い透明ビニールを複数枚貼り合わせ積層させることによって、これまで限界とされていた厚みを超える透明シートを製造する技術開発に成功。思い描いていた待望の2㎜厚のシートが完成し、製品化にこぎつけることができた。
透明シートにうすい青色を持たせたことから、製品名は空の色に例えて「スカイマット」と名付けた。たちまち文具店の店先で好調な売れ行きをみせた。
古い机をきれいに手直しし、引き続き使おうという謳い文句のスカイマットは快調に売れ行きを伸ばす。
机上に敷くだけで、机全体・オフィス全体を新品のようにきれいに見せることができることから、机を買い替えるよりははるかに安上がりというわけだ。
もう一つ、スカイマットに強い味方がついた。
昭和42年11月、事務機器の大手卸商社が協業化をねらってグループ組織をつくった。全国46都市に58店舗をもち、販売ネットは全国をカバーするといわれた。そんな全国組織がスカイマットを重点商品として取り扱ってくれたのだ。
販路は拡大し売れ行きは年を追うごとに
加速した。
美和ゴム協業として麻雀マットに続く2つ目のスマッシュヒット商品「透明ビニール製デスクマット」はこうして日本全国に定着していった。
1965年のデスクマット誕生からおかげさまで今年で60周年。現在では使用用途や目的にあわせてバリエーション豊富に展開中です。是非以下のリンクよりミワックスデスクマットをご覧いただき、机上に敷いてみてください。
完


